分子量 : 143.0914
金属元素重量分率 : Cu 0.8881
結晶系 : 等軸晶系 (毛状形態は微細な繊維状結晶の集合)
比重 : 5.85-6.16 (銅を多く含むため非常に重い)
硬度 : 3.5-4
劈開 : 四方向に完全(八面体劈開)
色 : 深紅色~黒赤色
条痕 : 褐赤色
光沢 : 金属光沢~半金属光沢
断口 : 貝殻状~不平坦
蛍光 : 通常なし
透明度 : 透明~半透明(繊維状部は集合体のため不透明に見えることが多い)
アリゾナ州モレンシー鉱山から届いた、極めて希少な“毛状赤銅鉱(Chalcotrichite)”の最高峰標本です。赤銅鉱(Cuprite)の中でも、わずかな条件が揃ったときにのみ生まれる繊維状・毛状結晶。その細くしなやかな結晶は、光を受けると深紅の金属光沢を帯び、まるで鉱物が自ら発光しているかのような存在感を放ちます。赤銅鉱は立方体や八面体の結晶になることが多いですが、稀に六面体の結晶が長く伸びて針状、毛状になることがあります。極細の結晶が束となり、繊維のように広がる姿は、赤銅鉱の中でも“芸術的領域”と呼べる造形。光源を変えると深紅から黒赤まで表情が移ろい、金属的な輝きが際立ちます。毛状赤銅鉱は形成条件が非常に限定されるため、鉱物学的にも重要な標本とされます。結晶の成長方向、酸化銅鉱物の遷移過程を示す資料としても優れています。毛状赤銅鉱の産出は 極めて少なく、現在はほぼ新規採集不可の状況。
Morenci 鉱山は世界的に知られる銅鉱床であり、毛状赤銅鉱の産出は極めて限られています。特にこのような密度・光沢・結晶の整いは、近年ほとんど見られません。アリゾナ州グリーンリー郡に位置するモレンシー鉱山(Morenci Mine)は、北米最大級の銅鉱床として知られ、世界的にも重要なポーフィリー銅鉱床の典型例として位置づけられています。その地質は、白亜紀後期の火成活動により形成された花崗岩質~閃緑岩質の深成岩体を中心に構成され、これらの岩体に関連した熱水作用が、膨大な量の銅鉱物を生成しました。
寸法 : 79.4X53.0X38.3mm/160.4g








