菱沸石
化学式 : CaAl₂Si₄O₁₂・6H₂O
分子量 : 506.467558
金属元素重量分率 : Si 0.2218, Al 0.1065, Ca 0.0791
結晶系 : 等軸晶系
比重 : 1.97-2.20
硬度 : 4-5
劈開 : 一方向に明瞭
色 : 無色、白色、帯黄色
光沢 : ガラス光沢
新潟県新潟市西蒲区・間瀬海岸で採集された、極めて透明度の高い最高品質の方沸石(Analcime)標本です。方沸石は等軸晶系に属し、偏菱24面体の自形結晶を示すことで知られます。本標本もその特徴を端正に備え、無色透明の結晶内部には海岸地層由来の静かな光が宿ります。間瀬海岸は火山岩類と海成堆積物が接する特異な地質環境を持ち、良質な沸石類が産出することで知られています。
方沸石はナトリウムを主成分とし、一部がカルシウムで置換されることで結晶内部に微細な変化を生みます。 本標本はその化学的均質性が高く、ガラス光沢を帯びた清澄な表情が際立っています。 海岸産ならではの穏やかな色調が魅力です
沸石(ゼオライト)という名前は1756年に、加熱すると水分を分離し、その様子が沸騰している様に見えることから、ギリシャ語の沸騰する石という意味で付けられました。沸石はグループ名で、48種類の沸石鉱物を含みます。沸石の定義は、珪素の一部をアルミニウムが置き換え、酸素との比が(Al+Si):=1:2となります。ソーダ沸石(Natrolite)は、1803年に認定された5番目の沸石です。この同じ形のもので中沸石(Mesolite)、トムソン沸石(Scolecite)があります。これらの沸石の区別を行うには、偏光装置が役立ちます。方沸石は、3番目に記載された沸石(1801年)で、方の字は等軸晶系を表します。方沸石は、無色、白色でガラス光沢を示し、偏菱24面体の自形結晶を作ります。造岩鉱物としては、粒状、塊状が普通になります。ナトリウムの一部はカルシウムで置き換えられます。
新潟市西蒲区・間瀬海岸は、日本海に面した海食崖が続く地域で、新第三紀(約2000〜1500万年前) の火山活動と海成堆積が複雑に重なり合う特異な地質帯として知られています。この地域には、安山岩質の火山岩と、海底で堆積した砂岩・泥岩が交互に分布し、その境界部には火山活動に由来する熱水が循環した痕跡が残されています。この熱水作用こそが、沸石類(Zeolite group)を生成した主要因であり、方沸石(Analcime)はその中でも特に安定した条件下で形成される鉱物です。間瀬海岸では、 火山岩の空隙に熱水が浸透 → ナトリウムを含むアルカリ性環境が整う → 方沸石が自形結晶として成長 というプロセスが、長い時間をかけて静かに進行しました。海岸の風化作用によって露出した岩体からは、 偏菱24面体の端正な結晶を保ったままの方沸石が見つかることがあり、 その透明度の高さと結晶の整いから、コレクターの間でも評価の高い産地となっています。
寸法 : 40.6X34.9X25.5mm/20.5g







