和名 : 蛋白石(たんぱくせき)
英名 : Opal(蛍光オパール)
化学式 : SiO₂・nH₂O (非晶質珪酸塩鉱物)
分類 : 非晶質鉱物(オパールグループ)
分子量 : 78.0958(n=1)
金属元素重量分率 : Si 0.3596
結晶系 : 非晶質
比重 : 1.9-2.3
硬度 : 5.5-6.5
劈開 : なし
色 : 無色、乳白色、オレンジ色、白色、赤色
光沢 : ガラス光沢ないし樹脂光沢
産地 : 北海道河東郡鹿追町 然別湖西方
本標本は、北海道十勝地方・然別湖西方に分布する 火山性熱水変質帯(hydrothermal alteration zone)において形成された 非晶質シリカ(Opal-A)を主体とする蛍光オパールである。然別湖周辺は、後期第四紀の火山活動に伴い、珪質熱水が地層中の割れ目・空隙に浸透し、シリカゲルの沈殿 → 脱水 → 固化という過程を経てオパールが生成した地域として知られる。本産地のオパールは、不純物含有量が極めて低く、微量元素(特にAl・Ca・Na)の変動が小さいことが特徴で、 これが紫外線下での強い蛍光(主に青~緑)を示す要因の一つと考えられている。
■ 鉱物学的特徴
分類 : 非晶質シリカ(Opal-A)
化学組成 : SiO₂・nH₂O(含水量:3~10 wt% 程度が一般的)
構造 : 非晶質。シリカ球状粒子(150~300 nm)の集合体と推定
蛍光特性 : 主に青~緑色蛍光起源は Si–O ネットワーク内の欠陥構造(E' center)および微量元素の影響
オパールという名前は、「宝石」を意味するサンスクリット語upalaからきています。またこの標本は、大変綺麗にブラックライト照明下で蛍光します。オパールは準鉱物(純粋な結晶構造ではないためにそう言われる)です。オパールは比較的低温で堆積し、ほとんどの岩石、特に砂岩、流紋岩、玄武岩の割れ目から産出します。然別湖には然別にしか住まない魚や古代魚がおり、神秘性を伺わせる土地です。自然の湖としては、北海道一標高の高い然別湖は噴火活動や溶岩によって誕生した湖と知られる自然豊かな地域です。北海道然別産の蛍光オパールは、まだまだ研究段階であり、未知なる可能性を秘めています。現在では採掘出来る地域は保護され、入手は非常に困難です。紫外線を当てると緑や青、黄色などの美しい色に発色します。金、銀、アンチモンを含むのは世界でも珍しいと言われています。
■ 産地地質(然別湖西方)
然別湖は、十勝火山群に属する火山性カルデラ湖であり、周辺には安山岩~デイサイト質の火山岩類が広く分布する。
然別湖西方地域は、
珪化作用(silicification) 粘土化作用(argillic alteration) 低温熱水変質(low-sulfidation hydrothermal system)
が顕著な帯状構造を形成しており、 本オパールはこの低温熱水系の末端部で沈殿したと考えられる。
■ 蛍光の成因
然別湖産オパールの蛍光は、 以下の要因が複合的に寄与していると推定される。
1 Si–O ネットワーク内の欠陥構造(E' center) → 青色蛍光の主要因
2 微量元素(Al, Na, Ca)の置換 → 発光中心の安定化
3 水分子(H₂O)の配置と含水量の変動 → 発光強度の差異を生む
これらは非晶質シリカ特有の発光メカニズムであり、然別湖産は特に欠陥構造が安定しているため、国産オパールの中でも蛍光が強い個体が多い。
寸法 : 24.2X17.7X11.6mm/3.58g








