鶉石(うずら石)は正式な鉱物名ではなく、 アルバイト(Albite, 曹長石)を主体とする長石グループの鉱物 に分類されます。 旧分類ではアンデシン(Andesine, 中性長石)とされていた石です。硫黄島の鶉石は、 数千年前の噴火によって放出された安山岩質の“結晶火山弾” が、 長い年月をかけて風化・分離し、 数ミリ~数センチの大きさになった 「結晶火山礫」です。
比重 : 推定 2.63-2.78 (長石含有率が高い個体ほど軽く、ガラス質が多いほど重くなる)
硬度 : 5.5-6.5
※ 白い部分 : 長石本体(アルバイト)
※ 黒い部分 : 長石に付着したガラス質の溶岩
主成分 アルバイト(Albite, NaAlSi₃O₈) 結晶質の白色部を構成 火山弾内部で比較的ゆっくり冷却された領域に形成
火山ガラス(Volcanic glass) 黒色部を構成 溶岩が急冷され非晶質化した部分
副成分 酸化鉄(Fe₂O₃ / Fe₃O₄) 硫黄化合物(S-bearing phases) 微量の輝石・角閃石の残存
結晶構造 アルバイトは三斜晶系に属し、 火山弾内部の温度勾配により、自形~半自形の斜長石結晶が成長した後、外側を火山ガラスが包む という二重構造を示す
この白黒のコントラストが、うずらの背や卵の模様に似ていることから 「鶉石(うずら石)」 と呼ばれています。
硫黄島の鶉石は、安山岩(アンデシン~アルバイトを主成分とする火山岩)の結晶火山弾が風化して生まれた特異な産状を持ちます。
特徴として 火山弾の内部に形成された長石結晶が露出 火山ガラスが付着し、黒い斑点として残る
白(長石)と黒(ガラス質溶岩)の自然模様 火山島の化学作用がつくる独特の色合い
このような産状は、硫黄列島の中硫黄島と、イタリア・シチリア島の一部地域にのみ見られる非常に珍しい地質現象です。
硫黄島の鶉石は、 安山岩質マグマの爆発的噴火に伴う “結晶火山弾(crystal-rich andesitic bomb)” に由来する。
寸法 : 11.9X8.4X5.6mm/0.51g








