石英(Quartz)
化学式 : SiO₂
分子量 : 60.0843
金属元素重量分率 : Si 0.4674
結晶系 : 六方晶系
比重 : 2.65
硬度 : 7
劈開 : なし
光沢 : ガラス光沢
香川県小豆郡内海町で産出する煙水晶は、国内産石英の中でも特に透明度と色調の均質性に優れ、学術標本としても高い評価を受ける希少な結晶です。瀬戸内海に面した穏やかな地質環境の中で、石英が長い時間をかけて成長し、周囲の花崗岩に含まれる微量の放射性元素の影響を受けて、柔らかなスモーキーブラウンを帯びています。内海町周辺は古くから良質な石英を産する地域として知られ、その中でも煙水晶は特に産出が限られており、「瀬戸内の静かな地質環境が育んだ、柔らかな影色の石英」 として愛好家の間で評価されています。
石英が地殻深部で成長した後、 周囲の岩石に含まれる微量のウラン・トリウム・カリウムからの自然放射線を受け、 アルミニウムを含む格子欠陥が電子を捕獲することでスモーキーな色調が生まれます。 この着色は人工的な照射とは異なり、自然界の時間の積み重ねが生んだ“地質の記憶” といえるものです。一般的な水晶は代表的なペグマタイト性鉱物で、造岩鉱物の第一にあげられ、各種の岩石中や鉱脈中に金属鉱石などと共に、六角形の結晶体で、またその双晶をなしたものや塊状で産出します。この標本は、微量に含まれたアルミニウム・イオンが原因で、煙褐色からほとんど黒色を示す水晶です。
香川県小豆郡内海町は、瀬戸内海に浮かぶ小豆島の南部に位置し、 穏やかな海と花崗岩質の山地が連なる、静かな地質環境を持つ地域です。 瀬戸内特有の温暖で乾燥した気候は風化をゆっくりと進め、 地中では花崗岩に由来する石英脈が長い時間をかけて形成されてきました。内海町周辺の地質は、白亜紀の花崗岩類を主体とし、 その割れ目に沿って熱水が循環することで石英結晶が成長します。 この環境に含まれる微量の放射性元素(ウラン・トリウム・カリウム)が、結晶内部のアルミニウムを含む格子欠陥に作用し、自然なスモーキーブラウンの着色をもたらします。瀬戸内海の穏やかな地殻活動と、 花崗岩質の母岩がもたらす安定した鉱物環境が重なり、 透明度が高く、柔らかな影色を帯びた煙水晶が育まれる稀有な産地として知られています。内海町産の煙水晶は、その落ち着いた色調と結晶の整いの良さから、国内産石英の中でも特に評価が高く、コレクション標本としての価値も際立っています。
寸法 : 20.4X12.2X10.2mm/2.45g








