結晶系 : 三方晶系
化学組成 : HgS
分子量 : 232.656
金属元素重量分率 : Hg 0.8621
比重 : 8.1
硬度 ; 2.5
劈開 : 一方向に完全
中国湖南省張家界市界市(Zhang Jia Jie)より産出した辰砂(Cinnabar)です。 辰砂は水銀の主要鉱石として古くから知られ、鮮紅色の発色と金剛光沢を持つ鉱物です。本標本は、界市産特有の深い紅色と、結晶の密度感が際立つ高品質の一点です。
界市周辺は、熱水変質帯が複雑に入り組む地質環境を持ち、硫化水銀が高温の熱水中で再結晶することで、鮮烈な辰砂が形成されます。母岩とのコントラストも美しく、展示標本としての存在感が強い個体です。
堆積岩や珪岩、また班岩及び蛇紋岩中などに、水銀や鶏冠石、白鉄鉱、及び黄鉄鉱、方解石、石英などと共に、6角板状や柱状結晶体で、また他には貝殻状や土状、塊状などで産出します。水銀と硫黄の化合物で、水銀としての用途以外に朱色の顔料として利用されていました。辰砂は自然水銀の次に水銀含有率が高い鉱物で、水銀の主要な鉱石です。自然結晶はごく稀で、比較的低温の熱水作用によって生成されます。辰砂は朱色の顔料として利用されていましたが、水銀が有害な為、現在では利用が制限されています。
■ 安全性
辰砂(HgS)は安定した硫化水銀鉱物で、標本として鑑賞する範囲では安全に扱えます。
ただし、破砕や粉末化を避け、鑑賞後は手洗いを推奨しています。
密閉保管し、直射日光・高温多湿を避けて保管してください。
■ 産地背景
中国湖南省張家界市界市(Zhang Jia Jie)は、古い熱水鉱床が複雑に入り組む地域で、 地殻の割れ目を通って上昇した熱水が冷却する過程で、硫化水銀が再結晶し、 鮮烈な紅色を持つ辰砂が形成されます。
界市周辺の鉱床は、低温~中温の熱水作用が繰り返し起こった地質環境を持ち、 そのゆっくりとした変化の中で、辰砂は母岩の隙間に美しい結晶群として育ちます。 深い紅色と金剛光沢は、この地域特有の熱水化学と地質条件が生み出したものです。
本標本は、界市産の辰砂が持つ「重さのある赤」をよく示しており、 母岩とのコントラストも強く、産地の地質的個性をそのまま記録した一点です。
寸法 : 140.2X60.0X44.3mm/329.0g








